体の反応、心の感応* №4 息が合うことの大切さ(3)【ハッとウム】/体・呼吸・心

キスをするとき、「吸う」という行為に力が入ってます。
そして「吐く」息が「はぁ〜〜」と熱い息に変わり首と全身が弛みます。そうやって心身一如で興奮して参ります。(笑)

この興奮状態にはホルモン的な影響もあるでしょうけど、多少姿勢学的な仕組みもあるようです。

ちなみに、キスをするとき鼻が詰まっていたら大変です。息が出来ませんので「 命がけのキッス 」になってしまいます。(笑)
そういえば「鼻が詰まってて亭主とキスするのに困っているから何とかしてくれっ!」と言った人がお一人いました。切実だったみたい。

のっけから生々しい出足となってしまいました。

落語では最初の部分を枕と呼ぶそうでして、ここでは大爆笑させると言うよりは物足りなさを感じさせます。
「もっと笑わせろ」という欲求を起こせるが如く、客に深く息を吐かせることはしません。(徐々に本題に入ろうとしております。)

上手い落語家の話というのはハマるといいますか、こっちの気分が高まっているのにちょっとじらすような展開があったりします。(これで客は呼吸を誘導させられてしまう。)
このように、人間には快感が伴うと呼吸を他者にコントロールされても充分満足できる不思議な生き物性があります。動物にはこんなのあまりないような気がします。私は学術的に説明はできないけど、動物は全て本能だけで呼吸をコントロールされてると思う。

「笑わせて欲しい!」
これは最近の十代女の子が恋人に求めていることらしいです。
NHKラジオ番組・日曜日夜「きらり10代」の「トアール探偵事務所のコーナー」でアンケートを紹介してました。街中インタビューアンケートで2位でした。
この番組は若い人の悩み事や気持ちを知るにはいい番組です。聴取者のメールや声が見事実って、入院していた彼との関係が壊れそうになっていた子の悩みが修復したときには思わずホロッとさせられました。
私にも子供が3人います。親に言えない悩みを子供達は沢山持っているのですね。相談相手が親でない方がよいこともあるでしょうけど、忙しさにかまけないで子供の気持ちを感じ取っていなければいけませんね。

それにしても、十代の男の子も大変です。学校の勉強だけでなくお笑いタレントじみてなくちゃいけないなんて。
もし私が十代だったらどうしよう。お笑いを迫られたらもうアウトです。寒いダジャレしか提供できない。彼女を作る自信もないけど、できたとしたらまずはコンビニでアルバイトだ。
必死でお金を貯めて寄席とか、たまにコロッケのライブとかご招待申し上げるしか手がありません。(というより自分が見に行きたいのが本音だけど)


えーと、呼吸の話でした。
ハッとすると息を吸っています。
吸う呼吸にだけ力が入っていると、緊張してしまうのです。
吐く呼吸に力がついてくると緊張を和らげるバランス力がつきます。
パニック症状(パニック障害)では突然に心臓が高鳴り口や喉が渇き呼吸が速まりこのバランス能力欠如が症状化しているのです。だから原理的には深い呼吸ができるように心身を誘導していくと治ることになります。
簡単に言うと「笑う能力」が落ちているのです。大雑把な話ですけど。
笑うときには腹に力を集めて吐くだけ吐ききり、息を吸うことを繰り返します。腹にに力が集まると副交感神経の働きが高まり肩や首の緊張が取れ、交感神経の緊張に対して拮抗力がつくのです。

整体であれヨガであろうと、病的な体の状態を整えるには体の余分な緊張を弛めることにコツがあります。

それは心の問題も同じであるように私は考えています。緊張した部分が弛まないということは本来の緊張能力も無くなっていると思って間違いありません。

そして改善の方向性は姿勢でいうと腰と腹が拮抗した張力を保てるように導くことにあります。これは筋力中心に偏っているスポーツの体の整え方に求めても無理があるのです。多くは呼吸は筋力鍛錬の従者になってしまうからです。

ネガティブな面でハッとさせられたり、そのままハッとして行動した場合たいがい良いことはありません。「ウム」と腹、腰に留息して受け止めたのと違って心身の異常緊張が冷静さや安定した行動力を失わせるからです。
もう少し具体的に説明しましょう。

呼吸を通して心身を整える方法
これにはいろいろありますけど、オーソドックスな方法を一つ紹介します。
▼1[正座か椅子に座る]
ゆったりと胸に息を吸い(胸式呼吸)、少し息を漏らし、続けて無声でウムと下腹に息をこらえます。続けて小さな声をウーーー‥‥ムと出しながら、残った息をゆっくりはき出します(やや前屈みになってもかまわない)。以上を無理のない自分のペースで3〜5分繰り返します。
集中して短時間ですませ、長時間やろうとしない。これを日に2〜3回行います。
姿勢は骨盤の上にフッと腰を載せた感じで。
呼吸のペースがきつければ漏らす息の量でコントロールを。
気張らないこと。これははスッごく好きなことをやったりして集中しているときに自然とやっている呼吸に近いのです。その他「道」と名の付く日本の武芸でもこの呼吸法は自然と身に付きます。
頭がクラクラしたりかえって息が苦しくなったりする人はミゾオチが緊張しているからです。ヨガで呼吸法の前にポーズで体を整えるのはこういった意味があります。正座で膝を開きミゾオチを両手で軽く押さえ、前屈みになりながらハーッと息を吐き出すことを習慣づけるといいでしょう。眠りの質も良くなります。(次の呼吸法も同様)
 「こんなの電車の中でやってて隣の人に声聞こえたらまずいじゃん!」
 そう言う人は声を出さない方法もあるのでそちらを。
▼2[正座か椅子に座る]
腰を反らせ息を吐ききる。息を止めたまま下腹を膨らませます。そのまま鎖骨の下辺りまで、つまり上胸部だけでしばらく呼吸します。1〜3分、でも3分は長いかも。最後は下腹から上胸部まで自然に息を通します。この後しばらく休みます。
長時間やらないように注意してください。声を漏らさない分、そのエネルギー消費はなく自分に向かってしまうのです。
習慣化した姿勢によってはこの呼吸法が難しい人もいますが、そう言う人こそホンの短い時間でいいからやるようにしてください。
※本来は仰臥でやるのが本式ですがその方が注意点が細かく難しいです。
下腹を膨らます。この表現に抵抗がある人もいらっしゃると思います。(笑)下腹に脂肪がまとわりつくのはその部分が弱くなったのを援助するためにつくのです。ここでの方法は腹部の深層筋肉に力をつけますのでご心配なく。腰も伸びるのでスタイルが若く清々しくなりますよ。
どちらの呼吸法も気力充実します。腰が伸び、呼吸が深くなり酸素の供給量が増え血液が浄化されます。勉強・仕事のストレス、パソコン作業の疲れをとり、個人的積極性を取り戻す助けになります。下腹は自然治癒力の源泉です。無理のないようにさえやれば治病効果の大きな助けになります。治療費、医療費が浮けば国にプールされるお金も増えます。その余裕は医療費増額の抑制力になるでしょう。

吐く吸う止める
呼吸にはこの3パターンがあります。大まかなところ「胸ですって腹で吐く」と覚えれば良いでしょう。先に紹介した呼吸法は吐くことを重視しながら3パターンのバランスが取れているのです。

付記:キス効果の姿勢学的な仕組みについて

キスでは「吸う」ときの力の使い方をしているけど、口の筋肉を支配している首の神経の緊張が弛むせいで首が弛むのです。
でもこれだけではありません。吸うのは頸椎4番神経が司っていますが、ここは感情のツカエが溜まりやすいところでもあるのです。それが開放されれば当然心地よいです。(心地よい上にツカエの開放!危ないですねぇ(笑))
加えて4番には恥骨周辺との連動関係もあり、それで骨盤がクネッとなってしまう。(ますます危ない。)
口の筋肉は吸いに力が入っていますが、呼吸は鼻でしてますから横隔膜は活動している。それで横隔膜が下がるときには腰と腹に力をいれなくてはいけません。
試しに親指をチュバッと吸ってみてください。
そのまままず鼻で浅く呼吸をしながら、ちゅよく(強く)親指をちゅってからチュパッと親指を離してみてください。んーーーーーっチュパッて。ほら下腹と腰に力が集まってからフア〜ンて弛んだでちょ。けっこう気持ちいいでちゅ。
愛が無くてこんなことやったら危ないでちゅ。
そんなわけでキスをすると「接触刺激からくるホルモンによる脳の興奮興奮+姿勢や呼吸の作用」が働くのであります。


おおまかなところ、最後はなんとか笑いに戻れた。どうなることかとおもったけど。(笑)