からだとこころの変化・平衡・再構築

銀河系、太陽系それぞれが移動しながら運行し、地球も自転しながら太陽の回りを回り続けているそうです。

全く同じ一瞬というのはきっとないのでしょう。
四季がありそれに応じて身体も変遷しています。
血液細胞は3ヶ月で入れ替わり、体の全細胞は6、7年で別のものに変わるのだそうです。

全ては変化し続けている。このこと自体はどうも不変のようです。

私など「ああ、このまま時間を止めてて欲しい」そう思うことが度々ありますけどどうにもならないようです。


あるご夫婦は二人して風邪を引き「明日、二人共仕事で出張するからなんとかしてくれ」と眉が八時二〇分になってしまった悲壮な顔でやってきました。
「明日大事な仕事が出来てしまったけど風邪を引いてしまった。熱も出てきたどうしよう‥‥よし、奥の手を使おう。」ということで
「時間よーーー止まれっ!」
「時間が止まっている間に整体で風邪を治してしまおう。」そう思ったかどうかは分かりません。(私が子供の頃「時間よー止まれっ!」と言うと時間を止めることが出来る少年がいて事件難問を解決するというテレビ番組がありました。年がバレルか)(笑)

このご夫婦は医者や薬が嫌いで、これまで何度も風邪を自然治癒経過させてきたまれに見る自然派的な発想の持ち主なはずでした。

しかしこのときの困惑ぶりは大変でした。たぶんとても大事な仕事だったのでしょう。

結局のところ、私はさして何もせず「成るようにしかなりませんよ。ちょっと力が入りすぎていませんか?」と告げました。
そうしたら二人ともカクンと肩の力が抜けてしまいました。(笑)(ヒドイ先生)
で、そのまま遠方に出張に行かれました。
でも後で、少し汗をかく程度で風邪はさしてひどくもならず、熱もそれほど出ず、軽い風邪引き状態のままつつがなく仕事も終えてかえって来られたと報告がありました。風邪はそのまま自然消滅。



「うわぁ!今風邪ひいちゃぁいられないのにどおしよう」
不安が元でコントロールに力が入るその気持ちも分かるのです。
しかし、「変化し続けている」ということを信頼することも大事です。
心に力が入りすぎてしまうと心の変化自体が滞ってしまって、本来ノーマルに働く自然治癒力まで渋滞を起こしてしまうこともあるのです。


風邪も心のあり方と関係があります。

年の瀬に全部仕事を終えたら必ず風邪を引く人

    • 過剰な緊張が抜けるから自然治癒力が働きやすくなるのでしょうし、そうやって熱と汗をかけば足の長さの左右差がとれたり、体の歪みを つくっている緊張もとれます。
    • 場合によっては心理的疲労も取れたりします。それは熱を伴う汗は深い汗で諸々の毒性の排泄が促進できるのです。頭もスカッとします。

緊張が取れて経過が早くなる

    • 体の勢いが少し弱いときは熱も高くならず汗の量も少ないです。先のご夫婦の例です。こういう時にも頭をごちゃごちゃさせていると簡単に経過するものまで停滞するのです。自然のプロセスを心のあり方が邪魔をしてしまうというケースです。

エネルギー過剰で引く風邪

    • エネルギー過剰を放置していて風邪を引くことがあります。このことには逃げ腰な気分、消極的な気分という緊張感の無さが原因になっていることが多いです。
    • もっと具体的にいうと仕事や自分を試す緊張感からのがれたいときなど。
    • まあ、これは風邪でエネルギーの調節をして体をブラッシュアップしてまた頑張ればいいでしょう。

引っ越しの風邪

    • 引っ越しをした際にしばらくして風邪を引くことがあります。体がその土地用にリフレッシュしようとするのです。特に遠方や外国に引っ越した時には注意しましょう。
    • 心理の嗜壁(しへき)関係の本に「引っ越しをしたら奥さんがやや重いうつ状態になった」という話が載っていました。
    • これは潜在意識の問題かもしれませんし、女性の場合男性よりは感覚的に出来ていますから前の家と体がくっついたままだったのかもしれません。こうなると心と体を分けて考えることができなくなります。
    • でも、前の家の全てに執着しれいるとは考え難いですし、これはその家にあった何らかの要素を排除しないで次に持ってくる必要があるのだと思われます。失ってはいけない何かがあるのでしょう。

 

風邪を例に取ったのは風邪が体のあちこちの緊張(つかえ)を取る作用があり、体の「変化に応じて平衡をとり再構築使用とする自然の働き」が分かりやすいと考えたからです。

でもこの風邪のプロセスもを全うさせるコツをつかんでいる人も少ないです。風邪は万病の元というのもここらに意味があるのでしょう。

風邪は心身のツカエを取る作用がある。だからその際には心も柔軟にしよう これがここまでの要点です。



心の力を抜くってことはとても難しいことです。大体において私達は思いこむことや頭に力を入れることで生活をまかなっているからです。

古人は「 とらわれず こだわらず ひっかからず 」と言ってますけど、それこそ言うは易し‥‥です。

私も整体をやって来たお陰で体に余分なツカエがない方がよいとか、心身はつながっているらしいよねとは言えても、柔軟な心については全く自信がありません。

ただ、風邪におけるその自然経過をお手本にしてみると、そこに心の風邪の引いたときのその『 変化し続ける心 』へのサポート方法のコツを見いだせるように思うのです。

そのためには、今内部で起きていることを感じるというより、感じ取ることとそれをジャッジしないで受け入れ、認めることは有効です。

受け入れたり認めたりすると体がフッと弛むと同時にそれが新たな引き締まりになるからです。

例えば「ああ、自分は焦っている。これをなんとかせねば‥‥、いやこの焦りは不安が元だ。不安?どの程度の不安?体はどうやって不安がってる?そうかこんな格好か。」という具合に体と心の状態をピッタリ合わせてみるのです。

そしてこわいと思うと同時に体に入っている力の方向を見つけて更に力を入れます。できたら「こわいー」と言ってみるのもいいです。(エネルギーの分散による弛緩)

変なやり方のように感じるかもしれませんが、焦っているときに「焦っていない!」と断定しようとすると分裂矛盾が生じるのはお分かりだと思います。

この方法は病的な心の状態だと一人では難しいかもしれません。
せめて自分の状況のありのままを受け入れてあげるのは心のゆらぎの幅を拡げることに役立ちます。

ささいなことは別ですが、本当に悲しいときに泣けないのは心身に緊張を残すでしょう。この意味では感情をネガティブにとらえない方が良いと私は考えています。


風邪の時には最初だるくて(弛みが中途半端)、熱が上がり汗が出てくると(エネルギーの分散と弛みの交互)その度に深く弛みます。

必要なだけを汗で排泄すると全身が均等に弛みきって(一度平熱以下になる)それから使える体に戻ります。

深さの問題は別として、心も同じ原理で成り立っているように私は感じるのですがいかがでしょうか。

変化し続けているということは、浮き沈みや高潮低潮の波があって当たり前ではないでしょうか。

最近はうつ病が流行っていますがこの病の原因の一つに「細やかな変化の無視の蓄積」があるように思います。
ある季節になるとこの症状が起きる人の場合、体の季節変動と心の連動があるでしょう。

心の変化がどこで閊え(つかえ)とまっていて、それをどのように動かし流れをつくり(弛みによるエネルギーの分散)、調和をとり価値かするか、

このような言い方はちょっと理屈っぽいですが、体の変化がそのように出来ているなら心の症状も単にネガティブにとらえるだけでなく再構築の一途として私は受け止めたいと私は考えています。



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